日本畜産学会第130回大会

講演情報

口頭発表

6. 管理・環境

管理・環境

2022年9月16日(金) 13:00 〜 17:00 Zoom会場6 (オンライン)

座長:杉野 利久(広大院生物圏)、矢用 健一(農研機構 畜産研究部門)、石川 志保(酪農学園大学)、森田 茂(酪農学園大農食環境)、阪谷 美樹(農研機構畜草研)、竹田 謙一(信州大学)、黒川 勇三(広島大学)、檜垣 彰吾(農研機構)

14:50 〜 15:00

[VI-16-13] サシバエの産卵を誘引する産卵床とこれを利用した成虫発生防除

*太田 久由1 (1. 東京都農総研)

(目的)サシバエが好む産卵床を調査した。また、あらかじめ昆虫成長制御剤(IGR剤)を含んだ産卵床を牛舎に設置し、成虫を誘引、集中産卵させてIGR剤により羽化を抑制することで、成虫発生の防除効果を検証した。
(方法)1.6種の産卵床〔A:牛用混合飼料(TMR)、B:チモシー乾草、C:市販配合飼料、D:牛ふん、E:牛ふん+オガクズ、F:牛ふん+チモシー乾草〕を牛舎内に3日間設置しハエに産卵させた。3日後、室内に移動し、ふ化後に幼虫飼料を十分に供給して幼虫の成長を促し、羽化数を調査した。2.サシバエ羽化数の多かったAを、プランター(約1500㎠)にIGR剤20gと共に1kg入れ、5月7日~7月9日にかけ牛舎10カ所に設置して、誘引産卵させ羽化を防いだ。6および7月中旬に8日間、牛舎前に設置した粘着シートへのハエ付着数を、過去2年間の同場所、同月の平均付着数と比較した。
(結果)1.産卵床別のサシバエ羽化数およびハエ羽化数に占めるサシバエ割合(%)はAが504(98%)、Bが84(98%)、Cが13(22%)、Dが14(50%)、Eが37(73%)、Fが40(76%)であった。2.6、7月の付着数は283頭、348頭で過去2年平均と比べ48.6%、39.0%に減少した。今回の結果からAはサシバエ産卵場所としての誘引効果が高く、本法により、牛舎周辺のサシバエ成虫の発生を抑制できると考えられた。