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[VI-16-22] 放牧ヒツジの採食行動時における頸部前傾角度を用いた草地状態の把握
【目的】本研究では、草地状態の把握を放牧家畜に行わせることを目的とし、放牧ヒツジの採食行動時における頸部前傾角度を調べた。【方法】①フライスランド種成雌ヒツジ9頭を18aの人工草地に放牧した。実験前に草地内を1区画15m×15mの8区画に分け、自然草高が長短2種類(15cmおよび4cm)となるように交互に配置した。ビデオカメラで供試ヒツジの行動を記録し、採食時の頸部前傾角度を測定した。観察は1頭あたり6回(自然草高ごとに3回)行い、計54回分のデータを得た。②サフォーク種成雌ヒツジ7頭を33aの人工草地に40日間連続放牧した。入牧時および退牧時の草地内の平均草高は14.8cm、2.7cmであった。ビデオカメラで供試ヒツジの行動を記録し、10、20、28、38日目における採食時の頸部前傾角度を測定した。観察は各日1頭あたり3回行い、計21回分のデータを得た。本研究での頸部前傾角度は、放牧ヒツジの採食行動時における姿勢を真横から観察した時、頸部が地面と水平である状態を0度とし、そこから下方向への角度と定義した。【結果】①自然草高が低い区画(40.2±4.1度)では、高い区画(36.8±6.4度)と比較して頸部前傾角度が有意に大きくなった(p < 0.05)。②放牧期間の進行に伴い、頸部前傾角度は有意に大きくなった(10日目40.9度; 38日目48.0度, p < 0.01)。