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[II-19-01] 乳用子牛における抗体の延長給与が血清、唾液、糞便の IgAおよびIgG濃度に及ぼす影響
【目的】移行抗体の吸収は出生後24時間程度で消失するといわれているが、持続的な抗体摂取が体内の動態に及ぼす影響は明らかでない。本研究では抗体の延長給与が血清、唾液、糞便のIgA、IgG濃度に及ぼす影響を評価した。【方法】ホルスタイン種子牛16頭を供試した。出生後24時間以内に全頭、人工初乳を同量給与したのち、抗体含量の異なる3種の代用乳区[対照区、中濃度(M)区、高濃度(H)区]に5~6頭配置し給与、その後、全処理区で9週齢まで同様の飼養管理を行った。【結果】血清IgGおよびIgA濃度は初乳給与24時間後に全処理区で同程度に上昇し、その後も処理区で差はみられなかった。唾液IgG濃度は初乳給与24時間後から5日齢にかけて上昇し、H区は対照区、M区と比較して高値を示していたが、7日齢以降はほとんど検出されなかった。唾液IgA濃度は初乳給与24時間後から5日齢でわずかに上昇し、28日齢以降に急激に上昇した。唾液IgG濃度は56日齢においてM区が他の処理区よりも高値を示した。糞便IgG、IgA濃度は唾液IgGと同様に一過的な上昇を示した、3日齢ではH区で他の処理区よりも高値を示した。以上の結果から、抗体の延長給与は血清抗体濃度には影響しないが、給与期間中における糞便の抗体濃度を高め、給与終了後2か月後の唾液中IgA濃度を高める可能性が示された。