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[II-19-08] 同位体希釈-LC-MS/MS法を用いた生乳中ポリアミン分析の検討
【目的】ポリアミンはアミノ基を多く含む塩基性の生理活性物質である。動物の主要なポリアミンは、プトレシン(Put)、スペルミジン(Spd)、スペルミン(Spm)、カダベリン(Cad)などであるが、それら簡単な構造ゆえに、精密定量が難しいことや、分析前処理による測定誤差が懸念される。そこで本研究では、試料調整による回収率やマトリックス効果を補正することができる同位体希釈-液体クロマトグラフタンデム型質量分析(LC-MS/MS)法を用いて、生乳に含まれるポリアミン濃度について検討した。【方法】日本獣医生命科学大学富士アニマルファームで慣行飼育されているホルスタイン種(経産牛)から採取した生乳を試料とした。試験1:各種ポリアミン(Put、Spd、Spm、Cad)標準液および安定同位体標識ポリアミンをプレカラム誘導体化し、分析条件の最適化を行った。試験2:分娩後1、2、3および60日後の生乳中ポリアミンを分析し、分娩後の変化を調査した。【結果】検討したすべてのポリアミンの分析(MRM)条件を最適化することができた。試験2:生乳中のポリアミンは分娩後、経時的に減少し、Putは分娩60日目において初乳の約1/10程度となった。以上のことから、同位体希釈-LC-MS/MS法を用いた生乳中ポリアミン分析が可能となり、分娩後乳牛の栄養生理評価に有効であることが示唆された。