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[II-20-09] 泌乳初期の乳牛における乳中脂肪酸組成と疾病の関連性
【目的】本研究では、乳成分測定装置によって定量される乳中脂肪酸組成と泌乳初期の乳牛における疾病との関連性を検討した。 【方法】延べ23頭の泌乳牛(初産4頭、経産19頭)を対象に分娩から8週目までの期間、週1回の頻度で生乳、血液および尿を採取した。周産期病(低Ca血症、ケトーシス、第四胃変異、胎盤停滞)の症状を示した個体について記録を行うとともに、血液および尿から潜在的な低Ca血症、ケトーシスの判断を行い記録した。これらに該当した牛を疾病群とし(N=13)、非該当牛を健常群(N=10)とした。各乳牛の乳成分、乳中脂肪酸組成(CombiFoss 7 DC, FOSS社)と血漿中の遊離脂肪酸(NEFA)濃度を測定した。また、分娩後1週から4週目までのデータからROC解析により閾値および曲線下面積(AUC)を算出した。 【結果】血漿中NEFAは疾病群が健常群と比べて分娩後1,3週目で高かった。乳中de novo脂肪酸は疾病群が健常群と比べて分娩後3週目まで低く、逆にpreformed脂肪酸は疾病群が健常群より同期間に高く推移した。ROC解析より健常群と疾病群の閾値は乳中de novo脂肪酸で総脂肪酸あたり21.2%、preformed脂肪酸で50.4%となった。いずれの脂肪酸もROC解析のAUCは0.76-0.77であった。以上より、乳中脂肪酸組成と泌乳初期の乳牛の疾病との関連性が認められた。