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[II-20-10] ホルスタイン種における飼料効率の改良のためのデータ収集
従来、ホルスタイン種の遺伝的能力の改良には、大規模集団からのデータを使った分析が必要であった。そのため、飼料効率のように個体ごとの採食量の情報が必要な形質は、酪農家からのデータ収集が難しく、改良することが困難であると考えられていた。しかし、近年普及しているDNA情報を使ったゲノミック評価を利用すれば、一部の大規模農場や試験研究機関などの小規模集団であっても改良に利用することができると考えられている。実際、欧米の一部の国では、個別の飼養試験結果の利用だけでなく、遺伝的能力評価のための飼養試験を実施し、遺伝的能力評価を開始している。さらに、総合的に改良を行うための指数に飼料効率を組み込んでいる。国間で情報を共有しデータ量を確保する国際的な動きが活発であるが、日本では、共有できる採食量のデータが殆どないため、まず、当センターで実施可能な飼養試験の計画を作成した。さらに、体型審査情報を利用し、飼料効率の評価に必要なデータ量のシミュレーションを実施した。遺伝的能力評価に必要なデータ量を確保すること以外にも、改良の効果を検証するためにデータを国内集団で確保する必要があることから、日本国内の試験研究機関、民間企業、酪農家などからなるデータ収集のためのコンソーシアムの設立が必要である。そのため多くの農場で実施しやすい飼養試験計画を検討した。