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[III-19-04] ニワトリにおけるリポポリサッカライド誘導性炎症時の3-ヒドロキシ酪酸の抗炎症作用の検証
【目的】3-ヒドロキシ酪酸(BHB)はグルコース不足時に肝臓で産生・分泌され、肝外組織・器官で代替エネルギー基質として利用される一方で、近年、抗炎症を有することが報告されている。本研究ではリポポリサッカライド(LPS)で免疫反応を刺激したニワトリの末梢血単核細胞(PBMC)、脾臓に対するBHBの抗炎症作用を調べた。【方法】3週齢Ross 308肉用鶏雄を供試し、BHB(3 mmol/kgBW)およびLPS(1.5 mg/kgBW)を各々腹腔内投与し、3 h後に屠殺した。脾臓、PBMCに加え、肝臓、腓腹筋を採取し、炎症性サイトカインならびにBHB代謝関連因子の遺伝子発現量を測定した。【結果】脾臓、PBMCにおいてIL-1β発現量はLPS投与により高くなった一方で、この上昇に対するBHBの抑制作用は脾臓でのみ認められた。また、脾臓ではTL1A、IL-18、IL-6の発現増も同様に抑制された。BHB合成に関与するHMGCL、HMGCSの発現量は肝臓で著しく高く、脾臓、PBMC、腓腹筋ではほとんど検出されないことが確認された。BHB代謝酵素BDH1、SCOTの発現量は肝臓のみならずPBMCでも低かった一方で、腓腹筋に加え脾臓でも比較的高い値を示した。【結論】ニワトリの免疫細胞・器官におけるLPS刺激性炎症反応に対するBHBの抑制作用はBHB代謝酵素の発現量に依存する可能性が示された。