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[III-20-15] サラブレッド育成馬における発育に伴う血中アミノ酸濃度の変化
【背景】筋量増加が顕著である育成期においてサラブレッドのアミノ酸(AA)栄養は非常に重要であると考えられる。しかしながら、ほとんどのAAについて育成期における要求量については不明であり、それを検討するための情報も不足している。本研究では育成期におけるAA栄養の基礎情報を得るため、発育やそれに伴う飼養環境変化が血中AA濃度に及ぼす影響について調査した。【方法】JRA日高育成牧場にて繋養された2019年生まれのサラブレッド9頭(雄4頭、雌5頭)を供試し、出生翌日から1歳7月まで毎週、血漿中AA濃度を測定した。育成期間を哺乳前期(出生~2か月齢)、哺乳後期(3か月齢~離乳直前)および離乳(約5か月齢)後である秋季(離乳直後~8か月齢)、冬季(9~12か月齢)、春季(13~16か月齢)と飼養環境が変化する5つのステージに分けAAを比較した。【結果】秋季ならびに春季おいて高い濃度を示すAAが多く認められた。なかでも分岐鎖AA濃度は秋季においてその他のステージと比較して有意に高い値を示した(P<0.001)。メチオニンおよびトリプトファン濃度は哺乳前期が他のステージに比べて有意に高い値を示した(P<0.001)。【考察】分岐鎖AA濃度は秋季の次に春季が高く、放牧地における牧草摂取量の増加や子馬の繊維利用能の成熟が要因と推察された。