栄養・飼養Ⅱ

[III-20-20] 高圧蒸煮処理した木質飼料給与がホルスタイン去勢肥育牛の血液成分に及ぼす影響

*Toshihiro Nade¹, Naoki Fukuma¹, Saya Fukushima², Kazuaki Ito², Ryo Hiyama³, Shintaro Nakai⁴ (1. Obihiro Univ., 2. Obihiro Univ. Graduate School, 3. Forest Products Inst., 4. Ace Clean)

【目的】国産粗飼料安定供給、林畜連携を目的に、シラカンバを原料に高圧蒸煮処理した木質飼料の給与がホルスタイン種去勢肥育牛の血液成分の経時的変化に及ぼす影響を検討した。【方法】供試牛は約8ヵ月齢のホルスタイン種去勢肥育牛20頭を用い、給与区に10頭、無給与区に10頭を配置した。木質飼料は、シラカンバを原料とし、高圧蒸煮処理した飼料（キャトルエース）を用いた。木質飼料の給与量はTMR飼料給与量に関係なく肥育開始から終了時まで1日1頭あたり500gを一定量給与した。肥育･給与期間は10ヵ月間とした。血液は肥育開始時から3ヵ月に一度、頸静脈から採取し、血清を用いて、肝機能成分、タンパク成分、βヒドロキシ酪酸（BHB）、乳酸、ビタミンA、E（VA、VE）等、計12項目を測定した。【結果】AST、ALT、γGT、総コレステロールには有意な差は見られなかった。総タンパクは肥育期間中給与区が無給与区に比べ低い値で推移した。アルブミンは肥育開始時には無給与区が高かったが、肥育開始にともない差が無くなった。アルブミン・グロブリン比は給与区が高い値で推移した。尿素窒素は肥育中期で給与区が低い値で推移した。BHBは肥育期間中給与区が高い値で推移した。VAは肥育後半から給与区が高い値で推移した。VEは肥育後半に給与区が高い傾向を示し、肥育経過に伴い差が広がっていた。