The 131st Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

3. 繁殖・生殖工学

繁殖・生殖工学

Wed. Sep 20, 2023 9:00 AM - 11:10 AM Venue 4 (Lecture Room 3)

Chairperson: Yuji Takagi, Yousuke Naniwa, Hiroyuki Watanabe, Ken Sawai

9:00 AM - 9:10 AM

[IV-20-01] ウシ未成熟精巣の器官培養における精原細胞の増殖とセルトリ細胞機能の評価

*Ryosuke Shimizu1, Yuki Yamamoto1, Koji Kimura2, Kentaro Nagaoka1 (1. Tokyo Univ. Agri. Tech., 2. Okayama Univ.)

[目的]ウシ精原細胞からの体外精子生産技術が確立されれば、精子入手を簡易化し生産性の向上に寄与する。本研究は体外培養したウシ未成熟精巣の生殖細胞 (GC) の分化・増殖能とセルトリ細胞 (SC) 機能を評価した。[方法] 4-5 ヶ月齢のウシ精巣組織片を 10%ウシ胎子血清 (FBS) およびホルモン類 [FSH (3 mAU/ml)、hCG (30 mIU/ml)、テストステロン (5 ng/ml)、T3(2 ng/ml)] またはレチノイン酸 (RA:1 μM) 条件で 6 週間培養した。また FBS の代替となる 10% Knockout Serum Replacement (KSR) の効果も検討した。細胞の状態は VASA (GC マーカー)、Ki67 (増殖マーカー)、ZO1 (密着結合 (TJ) タンパク質)、アンドロジェン受容体 (AR) の免疫組織化学により評価した。[結果・考察]全条件で減数分裂は確認できなかった。培養開始後、10% FBS のみ、ホルモン添加、10% KSR の条件で GC および増殖 GC 割合が減少した一方 RA 添加では有意に上昇した。このことからRA は GC 増殖を促進すると考えられる。SC の ZO1 は培養中も明瞭な発現が認められたが AR 発現は確認できなかった。よって培養時も TJ は維持されたが、SC は未成熟で精子形成に必須の機能を獲得していないと推察された。今後は SC 成熟と GC の減数分裂を促進させる条件の探索が必要である。