The 131st Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

3. 繁殖・生殖工学

繁殖・生殖工学

Wed. Sep 20, 2023 9:00 AM - 11:10 AM Venue 4 (Lecture Room 3)

Chairperson: Yuji Takagi, Yousuke Naniwa, Hiroyuki Watanabe, Ken Sawai

9:20 AM - 9:30 AM

[IV-20-03] モバイル運動解析ツールを用いたウシ精液の濃度と運動性評価

*Takemasa Hidaka Hidaka1, Kenji Morimasa Morimasa1, Shinya Satou Satou1, Keiko Shirota Shirota1, Kazuko Ogata Ogata2, Kumiko Takeda Takeda2, Masahiro Kaneda Kaneda3 (1. Hirosima Pref, 2. NILGS, 3. Tokyo Univ Agri and Tech)

【目的】iSpermは、iPad Miniを携帯型顕微鏡として機能させ、精子運動性を分析するモバイル測定ツールである。本研究では、iSpermの精子濃度および精子運動率の値を、現行の手法と比較するとともに、体外受精成績との関連を調査した。 【方法】血球計算盤を用いた目視測定により精子濃度を50百万/mlに調整した新鮮精液について、iSpermを用い濃度を測定した。また新鮮及び凍結-融解精液の運動性を精子運動解析装置(CASA)及びiSpermにより計測し,得られた運動項目の値を用い測定方法間の相関を調べた。さらに精子運動性を測定した凍結精液と屠場卵巣由来の卵丘卵母細胞複合体を用いて体外受精し、精子運動性と胚盤胞発生率との相関を調べた。 【結果】iSpermによる精子濃度測定では平均精子数49.4±1.7百万/mlであり、血球計算盤で評価した濃度と同等だった(n=69)。精子運動性測定では、平均速度と曲線速度についてCASAとiSpermとの間に強い正の相関(r>0.8)が示された(n=34)。また、精子運動性項目と胚盤胞発生率の比較では、曲線速度及び直線速度に中程度の相関(r>0.4)がみられた(n=12)。以上から、iSpermを用いることにより現行手法と同等の牛精子濃度及び運動性の客観的な評価が可能であった。また、体外受精成績の推定に活用できる可能性が考えられた。