繁殖・生殖工学

[IV-20-06] OptiPrep密度勾配遠心によるブタ精子保存液からの卵黄顆粒の除去

Chie Sugawara¹, Hayato Takatsuki¹, Yutaro Tanoi¹, Koh-ichi Hamano¹, *Yuji Takagi¹ (1. Shinshu University)

【目的】家畜精子への卵黄成分の保護効果は半世紀以上前から知られており、現在も牛凍結精液には卵黄成分が添加されている。我々は昨年の本大会において、水深1万メートルの水圧に相当する100MPaの加圧処理により、卵黄に精子を保護する成分が含まれていること、100MPa加圧により保存液の影響をより厳密に評価できることを報告し、卵黄の効果を再確認した。しかし精子運動解析装置（CASA）で精子の運動を計測した場合に、卵黄に含まれる卵黄顆粒が、死細胞として誤って認識・計測されることから、洗浄操作が行われている。本研究では、OptiPrep密度勾配遠心でより容易で確実に顆粒を精子から分離する方法を検討した。【実験】ブタ精子は10％卵黄あるいは10％卵黄プラズマ添加のヒロスワインB液に懸濁し、2層～３層の10％から30％OptiPrep溶液の最上層に重層し、1500G20分の遠心処理を行った。各層を回収し、卵黄顆粒と精子数を計測した。遠心管には、15mlチューブ、1.5mlエッペンチューブ、1.5mlの３連チューブを用いた。【結果】Optiprep濃度が高くなるに従い顆粒は減少し、精子割合は増加し、Optiprepにより顆粒から精子を分離できた。3連チューブを用いることにより、アスピレーターを用いずに中間チューブの精子画分を簡易に採取できたが、今後さらなる改良が必要である。