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[V-20-11] ヒツジ筋肉由来線維芽細胞の無限分裂および生物学的特徴の解明
【目的および研究背景】ヒツジは産業上重要な家畜であるが、ヒツジ由来の培養細胞の数は極めて限られている。我々は細胞の元の性質を可能な限り保持したまま、ヒツジ由来の無限分裂細胞の樹立を試みた。加えて生物学的特徴を解析するために、連続継代、PCR分析、ウェスタンブロット解析、RNA-Seq解析を実施した。【材料および方法】雄ヒツジ由来の筋肉組織より10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地によって初代培養を行なった。初代培養の細胞へレンチウィルス を用いて変異型サイクリン依存性キナーゼ4(CDK4)、サイクリンD1、テロメラーゼ逆転写酵素(TERT)遺伝子を導入した。同時にウィルス由来のがん遺伝子であるSV40遺伝子を導入し、無限分裂を試みた。また、初代培養細胞を含めてtotal RNAを回収しRNA-Seqを実施した。【結果および考察】初代培養細胞へレンチウィルス によって効率よく導入が可能であることを検出した。初代培養細胞はおおよそ40回ほど細胞分裂した後に増殖を停止するが、遺伝子導入された細胞群は100回以上の細胞分裂能力を示した。また、細胞老化のマーカーであるSA-beta-gal染色に陰性であった。本発表では起源となる細胞種類の同定のため、各種臓器由来のRNAと全遺伝子レベルでの発現比較を行い、同定した結果、特に主成分解析の結果を紹介する。