育種・遺伝Ⅱ

[VI-20-05] デュロック種における肉中の核酸・糖関連物質に関する遺伝的パラメーターの推定

*Koyo Hirano¹, Taiga Ito¹, Kanonn Turubayasi¹, Ryoiti Hurukawa¹, Yosihito Suda², Makoto Kimata³, Masamitu Toyama³, Keiiti Suzuki¹, Masahiro Sato¹, Yosinobu Uemoto¹ (1. Tohoku Univ., 2. Miyagi Univ., 3. Simuko)

【目的】豚肉中に含まれるイノシン酸などの核酸関連物質は、呈味性ヌクレオチドとして知られており、官能評価との関連が予想される。また、グリコーゲンなどの糖関連物質は、豚肉の保水性など、肉質形質との関連が知られている。本研究では、デュロック種における肉中の核酸・糖関連物質に関する遺伝的パラメーターを推定した。【方法】（株）シムコにおいて2014年から2021年に供試されたデュロック種を用いた。産肉形質を有する雌豚約2300頭のうち筋肉内脂肪含量等の肉質形質を有したのは約700頭で、そのうち約500頭について、ロース肉中の核酸関連物質（イノシン酸、イノシン、ヒポキサンチン、核酸総量）および糖関連物質（グルコース、グリコーゲン）を測定した。各形質の遺伝率は単形質アニマルモデルREML法を、形質間の遺伝相関は２形質アニマルモデルREML法により推定した。【結果】核酸関連物質の遺伝率はイノシンが0.70と高い値が推定され、その他形質では約0.2と推定された。糖関連物質の遺伝率は、グルコースで0.20、グリコーゲンで0.50と推定された。グリコーゲンとドリップロスおよびクッキングロスとの遺伝相関は、それぞれ-0.27、-0.79と負の値が推定された。以上の結果より、豚肉中の核酸・糖関連物質の遺伝性および他の形質との遺伝的関係が明らかとなった。