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[VI-20-09] 泌乳能力の向上と生産寿命の延長を同時に考慮し乳牛の収益性を改良するための長命連産効果の見直し
【目的】わが国の乳牛集団は国が制定した家畜改良増殖目標を達成するための総合指数(NTP)と酪農経済の変化に対応した長命連産効果(LP¥)の2種類の総合育種価により選抜が行われている。本分析ではLP¥における円単位の経済的重み(ai)を検討した。【方法】aiの設定には牛乳生産費、牛群検定情報、家畜共済統計および推奨発育値を利用した。在群能力のBV(BVdlo)に対する産次数(P)の回帰P=3.0+0.12BVdloから、LP¥=3(∑aiBVi)+0.12a9BVdloを仮定した。BVはi=1:乳脂量、2:無脂固形分量、3:体重成分、4:乳房成分、5:肢蹄成分、6:体細胞スコア、7:繁殖性成分、8:耐病性成分およびdloを加え9形質である。相対的重みはaiから各々19.3、27.1、13.0、-5.8、7.1、3.0、-8.5、11.0および5.3%とした。ここで成分とは複数の形質のBVを合成した指数である。分析ではLP¥が0.29σ/yrの選抜反応量を得るように仮定した。【結果】LP¥による選抜は乳量において現在のLP¥よりも高い+78.7kg/yrの間接反応量が得られた。乳成分量やdloなども望ましい方向への反応が予測された。体重成分は負の重みを付与することで小型化への選抜反応が期待された。新LP¥は現状の経済状況に即し泌乳能力と生産寿命をバランス良く改良できる指数に修正できた。