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[VI-20-10] ホルスタイン初産牛における蹄冠スコアと体型形質との遺伝的関連性
【目的】乳牛における蹄病は、健康の問題だけではなく、乳量や繁殖性の低下、早期淘汰など経済的損失にもつながる深刻な疾病である。蹄冠スコアは、蹄の健康状態を示すものとして乳用牛群検定で測定・収集されており、健全性や長命性の改良に利用できる可能性がある。本研究では、初産次における蹄冠スコアの遺伝率および体型形質との遺伝相関を推定した。【方法】蹄冠スコアは、家畜改良事業団が2014-21年に収集した都府県の乳用牛群検定記録のうち、初産次12,740頭の分娩後6~305日における記録の最大値を用いた。1(正常)から5(重篤)の5区分で判定されるが、本研究ではスコア1、2、3以上の3区分とした。蹄冠スコア記録を持つ個体の初産時の体型形質として、肢蹄に関する肢蹄、後肢側望、蹄の角度、後肢後望を用いた。蹄冠スコアの遺伝率は単形質、体型形質との遺伝相関は2形質のアニマルモデルREML法を用いて推定した。【結果】蹄冠スコアの遺伝率は0.03と推定された。遺伝相関は、肢蹄で-0.43、後肢側望で0.29、蹄の角度で0.18、後肢後望で-0.00と推定された。初産の蹄冠スコアは、肢蹄との遺伝相関が最も高く、肢蹄の得点が高いほど蹄冠スコアが低くなるという好ましい遺伝的関連性が認められた。