育種・遺伝Ⅱ

[VI-20-17] ホルスタイン種の乳中βヒドロキシ酪酸における暑熱ストレスの影響

*Satoka Ishida¹, Shiori Chiba¹, Che Hsuan Huang², Akiko Nishiura³, Hayato Abe⁴, Satoshi Nakagawa⁴, Yuka Nakahori⁴, Shigeki Yamaguchi⁵, Takeshi Yamazaki⁶, Koichi Hagiya² (1. Obihiro University of Agriculture and Veterunary Medicine Graduated School, 2. Obihiro University of Agriculture and Veterunary Medicine, 3. National Agriculture and Food Research Organization, 4. Hokkaido Dairy Milk Recording & Testing Association, 5. Livestock Improvement Association of Japan, 6. NARO Hokkaido Agricultural Research Center)

【目的】暑熱ストレス環境下のホルスタイン種は、体温上昇にともなって乾物摂取量が低下し、エネルギーバランス (EB) が低下する。乳中βヒドロキシ酪酸 (BHB) はEBとの関係が大きく、EBが負になると乳中BHBが増加することが明らかになっている。そこで、本研究では、北海道内のホルスタイン種におけるBHBと暑熱ストレスとの関係を調査した。 【方法】北海道酪農検定検査協会に集積された、2017年8月から2022年3月の北海道内の検定日記録 (ホルスタイン種初産牛、合計3,224,561件) および気象観測所の記録を分析に用いた。牛群・検定日の温湿度指数 (THI) は、各牛群に最寄りの気象観測所における日平均気温、および46都府県または北海道の14地区ごとに振り当てた代表気象観測所の相対湿度を用いて算出した。分析に用いた数学モデルには、母数効果として牛群年次、検定月、搾乳日数、月齢グループに加え、検定日当日から14日前までのいずれか１つの暑熱記録から算出されたTHI、変量効果として個体および残差を含めた。平均絶対誤差値 (MAE) およびTHI効果推定値にもとづいて乳中BHBに対する暑熱ストレスの影響を比較した。 【結果】MAEは検定日の12日前の暑熱指標を含む数学モデルで最も低い値を示した。THI効果推定値から、検定日10日から13日前のTHIが乳中BHBに影響を与えることが明らかになった。