育種・遺伝Ⅱ

[VI-20-19] 種別体細胞数を応用したホルスタイン種乳房炎抵抗性選抜指標の遺伝的パラメーターの推定

*Che Hsuan Huang¹, Kenji Furukawa², Nobuyuki Kusaba¹, Toshimi Baba³, Junpei Kawakami³, Koichi Hagiya¹ (1. Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine, 2. Tokachi Federation of Agricultural Cooperatives, 3. Holstein Cattle Association of Japan, Hokkaido Branch)

【目的】体細胞スコア(SCS)に関わる新たな指標である種別体細胞数(DSCC)を応用することで、乳房炎抵抗性をより効果的に改良できる可能性がある。そこで、DSCCを応用した新たな乳房炎抵抗性選抜指標(UHI)を提案し、それらの遺伝的パラメーターを推定した。【方法】データは、2021年1月から2022年3月までの期間に十勝農業協同組合連合会に集積された初産～3産分娩後305日間の牛群検定記録および日本ホルスタイン登録協会に集積されたそれらの血縁記録である。UHI1は、SCS 4以上かつDSCC 65％以下の記録を1、それ以外を0のバイナリデータとした。また、SCSとDSCCの変動による乳損失の推定値に基づき、バイナリ(UHI2)と連続(UHI3)データを作成した。分析は牛群・検定日、分娩後日数、分娩時月齢および産次の母数効果、永続的環境効果、相加的遺伝効果および残差を変量効果とし、選抜指標(SCSとUHI1~3)と乳生産形質の組み合わせによる2形質反復検定日アニマルモデルを用いて選抜指標の遺伝率と形質間の遺伝相関を推定した。【結果】SCSとUHI1~3の遺伝率推定値(平均±95％CI)は、それぞれ7.1±1.2％、14.1±3.1％、10.9±1.9％と10.6±1.6％であった。新たな指標はSCSより高い遺伝率を示したことから、乳房炎抵抗性を効果的に改良できる可能性がある。