The 131st Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

2. 育種・遺伝

育種・遺伝Ⅱ

Wed. Sep 20, 2023 1:00 PM - 3:30 PM Venue 6 (Lecture Room 5)

Chairperson: Yuriko Saito, Toshimi Baba, Shinichiro Ogawa, Masayuki Takeda, Atsushi Zoda, Keiichi Inoue

2:50 PM - 3:00 PM

[VI-20-28] 20か月間肥育における黒毛和種の飼料利用性とメタン関連形質の遺伝的パラメータ

*Masayuki Takeda1, Fumika Homma2, Kasumi Ichinoseki1, Naoki Takei2, Hideo Matsuda1, Shinichi Fujihara1, Junko Hashiba1, Takatoshi Kojima1 (1. NLBC, 2. NLBC Ohu)

【目的】和牛生産における飼料価格の高騰と温室効果ガスの排出は大きな問題である。そこで本研究では、一般的な肥育期間(10~29か月齢)における黒毛和種の飼料利用性とメタン関連形質の遺伝的パラメータを推定した。【方法】家畜改良センター奥羽牧場における肥育牛649頭の濃厚飼料の乾物摂取量(DMI)、体重記録及び血統情報7152頭を用いた。余剰飼料摂取量(RFI)、余剰増体重(RG)及び余剰摂取増体重(RIG)を飼料利用性形質とし、肥育前半(10~18か月齢)・後半(19~29か月齢)・全期間に分けて算出した。予測式を基に肥育全期間のメタン産生量(CH4)、DMIあたりメタン産生量(CH4/DMI)及びメタン転換効率(MCF)を算出し、メタン関連形質とした。各形質の遺伝率及び形質間の遺伝相関を推定した。【結果】推定遺伝率は飼料利用性形質で0.11~0.64、メタン関連形質で0.40~0.80であり、特に肥育前半のRFIとRIGは0.1台と低かった。前半または後半の飼料利用性形質は全期間のそれと0.7以上の推定遺伝相関があった。後半の飼料利用性形質はいずれもCH4と0.4前後の、前半のRGとRIGはCH4/DMI及びMCFと0.8前後の望ましい遺伝相関が推定された。以上より、肥育前半か後半の飼料利用性形質を改良することで、肥育全期間のメタン排出を低減できる可能性が示唆された。