育種・遺伝Ⅱ

[VI-20-29] 岩手県内黒毛和種集団における脂肪交雑の細かさに係る遺伝的パラメーターの推定と枝肉単価への影響

*Kosuke Yamagata¹, Jumpei Yasuda¹, Wataru Takasugi¹, Masaru Konno¹, Yasuko Hosokawa¹, Keigo Kuchida², Yuetu Moro¹ (1. Iwate Agricultural Research Center Animal Industry Research Institute, 2. Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine)

【目的】牛枝肉の脂肪交雑の細かさは取引価格や食味への影響が報告され、新たな評価指標として注目されている。そこで脂肪交雑の細かさの改良が可能かを検討するため、新細かさ指数について、本県黒毛和種集団における遺伝的パラメーターの推定、県有種雄牛の推定育種価の算出、枝肉単価への影響を調査した。【方法】2019～2022年に岩手県内でと畜された黒毛和種肥育牛1,408頭の枝肉第6-7肋骨間横断面を画像撮影装置（MIJ-15）で撮影し解析に用いた。新細かさ指数は、ロース芯の輪郭線を抽出後、新適応二値化処理を行い、画像解析ソフト（BeefAnalyzer-G）で算出した。遺伝的パラメーターおよび育種価は、新細かさ指数と枝肉形質を対象とし多形質アニマルモデルREML法により推定した。枝肉単価への影響は、新細かさ指数、BMSNo.、性、種雄牛を効果とし最小二乗分散分析により算出した。【結果】新細かさ指数の遺伝率は0.45であり、各枝肉形質との遺伝相関は、枝肉重量（-0.23）ロース芯面積（0.46）バラ厚（-0.44）皮下脂肪厚（-0.14）歩留基準値（0.39）BMSNo.（0.51）であったことから、バラ厚に留意し、脂肪交雑の細かさの改良が可能であった。基幹種雄牛31頭のうち新細かさ指数の推定育種価は「菊勝久」が最も高かった。枝肉単価は、新細かさ指数が80以上で80未満と比較し有意に高かった。