育種・遺伝Ⅱ

[VI-20-30] 黒毛和種枝肉単価と枝肉格付ならびに画像解析形質の関連性の解明におけるランダムフォレストの活用

*Yuta Tamagawa¹, Keigo Kuchida¹ (1. Obihiro Univ.)

【目的】枝肉単価は同一市場,同一取引日,同一BMSナンバーでも大きく異なる。本研究ではランダムフォレストを用いて, 枝肉単価と枝肉格付ならびに画像解析形質との関係性を調査した。【方法】データは北海道の枝肉市場に出荷された黒毛和種9,350頭を使用した。分析はランダムフォレストを用いて,枝肉単価を応答変数,枝肉格付形質,画像解析形質,月齢,性別,最長飼養者,種雄牛および相場(A4去勢牛平均枝肉単価)を説明変数としてBMSナンバーごとに実施し,モデルの精度および枝肉単価におけるSHAP値を算出した。【結果】データ数が充分であったBMSナンバー5~10におけるモデルの精度はMAEが51.1～67.6,R²値が0.63～0.84と高い値となった。SHAP値は相場が全BMSナンバーで最高値(57.0~149.0)を示し,歩留等級または歩留基準値がほとんどのBMSナンバーで高い値(4.0～46.3)が示された。また,枝肉重量のSHAP値は低いBMSナンバーで正の値を示したが高いBMSナンバーでは負の値が示された。画像解析形質のSHAP値は低いBMSナンバーで胸最長筋脂肪面積割合が高く(2.8～25.1),中程度のBMSナンバーで胸最長筋新細かさ指数が高く(2.6～5.8),高いBMSナンバーで僧帽筋の脂肪面積割合および新細かさ指数が高い(2.8～10.4および2.2～10.8)結果となった。