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[VII-20-13] 抗ミオシン重鎖モノクローナル抗体の精製と豚肉の筋線維タイプ組成の解析
【目的】筋線維タイプが肉質に及ぼす影響はいまだよく分かっていないが、その理由の一つは、速筋のサブタイプであるtype 2A,2X,2Bの検討が進んでいないためである。筋線維タイプマーカー分子であるミオシン重鎖(MyHC)の特異抗体を用いた多重免疫蛍光染色は筋線維タイプ組成を速筋サブタイプまで明瞭に評価できる優れた手法である。本研究では、ハイブリドーマの培養と精製により得られる抗MyHC抗体量を調べるとともに、市販の豚肉の胸最長筋における筋線維タイプ組成を解析した。【方法】抗MyHC 1,2A,2X,2B抗体を産生するハイブリドーマを増殖培地で培養後、無血清培地に切り替え3日間培養した。培養上清に含まれる免疫グロブリンG(IgG)をプロテインGカラムで精製し、抗体を得た。市販の豚ロース(胸最長筋部位)の筋線維タイプ組成を凍結切片の免疫染色から解析した。【結果】培養上清100 mLにつき、抗MyHC1,2A,2X,2B抗体をそれぞれ1985, 1085, 778, 688 µg得た。ブタ胸最長筋の筋線維タイプ組成について現在までtype 1,2A,2Bの解析を行った。その結果、type 1は10.9±4.6%、type 2Aは19.1±4.6%、type 2Bは76.0±1.0%であったことから、ブタ胸最長筋ではtype 2B線維が多い事が分かった。この組成は過去の報告と比べ同程度であった。