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[VII-20-17] ブロイラー異常硬化胸肉における神経筋接合部の変化について
【目的】ブロイラー異常硬化胸肉(以下,WB)は多数の筋線維が変性して結合組織に置換されており,正常な筋再生が行われていない.加えて,筋肉への神経支配が正常に行われていない可能性も考えられる.本研究ではWBを重症度別に分類し,神経筋接合部の評価を行った. 【方法】本学の実験鶏舎で飼育した46日齢のRoss308系ブロイラーを翼の挙上による選別を行い,挙上(+)を非発現鶏(Normal)とし,挙上(−)の鶏は胸肉の筋組織観察によって重症度をMiddleおよびSevereに分類した.すなわち,採材した胸肉から凍結切片を作成し,各組織化学染色を行った.あるいは,と殺後すぐに浅胸筋の一部を細断して凍結し,ミオシン重鎖アイソフォーム分析試料およびq-PCR試料とした. 【結果】筋組織を重症度分類してNADH-TR染色を行ったところ,WBの重症度が高くなるにつれて,濃く染色される筋線維が多かった.神経筋接合部の形態像をスコアリングして評価した結果,Severe群は有意に低い点数だった(p<0.05).神経筋接合部に関連する遺伝子発現はNormal群で高い傾向だったが,有意な差は得られなかった.SDS-PAGEでミオシン重鎖を解析したところ, Severe群でIIb型以外の筋線維型と考えられるバンドが検出された.以上のことから,WBは筋変性の過程で神経筋接合部形成に異常が生じる可能性が示唆された.