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[VII-20-21] 異なる飼養管理で生産された日本短角種の各骨格筋組織におけるCOL1A1の発現
【目的】 骨格筋を構成する筋線維は収縮速度や代謝様式の違いで各筋線維型に分類される(遅筋型、速筋型)。放牧飼養する日本短角種の大腿二頭筋では遅筋型へ移行し、脂肪滴含有筋線維が増加することが明らかとなっている。コラーゲンⅠ型(COL1A1)は結合組織の主成分であり、ヒト外側広筋では運動で増加することから、放牧飼養での筋線維型移行、脂肪滴蓄積機構と密接に関与する可能性がある。本研究では放牧飼養による筋線維型移行機序を明らかにするために、異なる飼養管理で生産された日本短角種の各骨格筋における筋線維型関連遺伝子とCOL1A1の発現量を解析した。【方法】 各牧場 (A牧場:粗飼料のみ、B牧場:粗飼料+濃厚飼料の割合高、C牧場:粗飼料+濃厚飼料の割合低)の 2021年10月に出荷された日本短角種去勢雄の骨格筋 (鎖骨頭筋乳突部、僧帽筋、胸最長筋、腹鋸筋、上腕三頭筋、大腿二頭筋近位部および中遠位部、趾伸筋)を採取した。採取した骨格筋組織のMyosin-slow、2Xおよび2A、3HBD、COL1A1のmRNA発現をRT-qPCRで解析した。【結果】 濃厚飼料の給与割合が高いB牧場のほぼ全ての部位でCOL1A1のmRNA発現が高く、鎖骨頭筋乳突部のみA牧場で高かった。以上より、COL1A1の発現と遅筋型への筋線維型移行は運動負荷より給与飼料による影響が大きい可能性が示唆された。