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[X-20-26] 中国における乳製品の認知度と購買行動に関する研究－ 内モンゴル自治区の伝統的乳製品を対象に－
【目的】中国の生乳生産量は急速な発展を遂げているが、周期的な乳価・飼料価格の乱高下や経営規模の二極化など懸念要素も多い。内モンゴルの小規模経営は低所得に苦慮し、一部は伝統的な乳製品を生産・販売して収入を得ている。本研究は、内モンゴル乳製品の需要と認知度、嗜好の調査から国内販売の展開可能性を考察する。【材料と方法】北京市・上海市・広州市の消費者に乳製品を対象としたWebアンケートを実施し（2022 年 6 月）、結果を属性、地域、嗜好をもとに類型化し分析を行った。【結果と考察】各市における被験者数は概ね同数で女性は61％、未成年の子供がいる主婦層を中心に509名の有効回答が得られた。商品購入は安全性、食味、価格、賞味期限の順で重視し、北京の安全性は広州よりも有意に髙かった。購入頻度は男女間に有意差はないが、地域間で上海が最も多く、次いで北京、広州の順であった。分析の結果、①8割余が週に三日以上の頻度で消費しているが、多くは牛乳・ヨーグルトであり、②内モンゴル乳製品の認知度は高いがリピート購入者は少なく、購入先が不明瞭であること、③味わい方や調理方法が分からないという回答が多かった。内モンゴル乳製品は小規模生産を主としていることから生産量に限りがあり、品質・食味は区々である。生産拡大、品質安定に向けた取り組みに加え、認知度を高めるための啓発活動、宣伝・販売戦略の構築が必要不可欠となろう。