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[XIYS-19-02] 卵胞液中のmiRNAは卵子の胚発生能力の優劣を決定する
卵子の発生能力には大きな個体差がある。卵胞液(FF)は卵子の成熟を支持する唯一の環境である。本研究では卵子発生能力の個体差がFF中の特定のmiRNAに起因するのではないかと考え、内包する卵子の個体差と関係するmiRNAを同定しその効果を検討した。食肉センターより黒毛和種卵巣(39頭)を採取し、個体別に吸引採取した卵丘細胞卵子複合体(COCs)を常法より胚盤胞まで発生させた。発生率が高い順に上位、下位それぞれ6個体のFFを2個体ずつ混合しGood-FF、Poor-FFを3ロット作成した。これらのFFを10%添加した体外成熟(IVM)培地でCOCsを21h培養し胚盤胞を作出したところ、Good-FF区において受精率、8細胞期胚までの分割率と胚盤胞期胚までの発生率が有意に向上した。次に両FF内のRNAを抽出しsmall RNA-seqに供した結果、miR-151-3pと-425-5pがGood-FF中に高頻度で含まれていた。また顆粒層細胞(GC)から分泌された標識付きmiRNAはスフェロイド形成したGCに取り込まれた。mimic導入の確認はデュアルルシフェラーゼアッセイを用いて行った。さらに当該miRNAのmimicをIVM培地にリポフェクタミンと共に添加すると、Control mimicと比べ導入後の分割率、発生率を有意に向上させた。