The 131st Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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優秀発表賞応募講演

優秀発表賞応募講演

優秀発表Ⅴ

Tue. Sep 19, 2023 9:00 AM - 10:45 AM Venue 10 (Lecture Room 34)

Chairperson: Yuji Miyaguchi, Kenji Fukuda, Takashi Bungo, Yohei Kurose

10:30 AM - 10:45 AM

[XYS-19-07] 黒毛和種牛の分娩および発情における耳標センサーの有用性

*Takumi Muramoto1, Haruki Yamano1, Yutaka Taguchi1, Haruichi Kanaya2, Osamu Takiguchi3, Tetsuji Etoh1, Yuji Shiotsuka1, Ryoichi Fujino1, Yudai Inabu1, Hideyuki Takahashi1 (1. Kyushu Univ., 2. Graduate School and Faculty of Information Science and Electrical Engineering, Kyushu Univ., 3. ALSENS)

【目的】体温は生理的パラメーターであり,経時的な体温変化を捉えることが牛の個体管理を行う上で役立つと考えられている.現在,深部体温を計測するセンサーは開発されているが,侵襲型かつ電池式のため牛や畜産農家への負担は大きい.加えて,深部体温センサーでは分娩時以降におけるデータ取得が困難である.そこで本研究では,非侵襲かつ経時的に体温を測定できる耳標センサーを用いることで,分娩や発情時の体温変化を明らかにするとともにそれぞれの現象の予兆を捉えることを目的とした.【方法】分娩に関しては,供試牛として妊娠末期の黒毛和種繁殖牛8頭を用いた.分娩予定日12日前から耳標センサーおよび膣温センサーを装着し,分娩前後の体温変化を測定した.発情に関しては,供試牛として黒毛和種繁殖牛3頭を用いた.発情発見は市販の発情発見シールにより行った.さらに,飼養管理時は市販の動画録画機を用いて,体温変化時に起こっている現象を明らかにした.【結果】黒毛和種繁殖牛の分娩前後や発情時の体温変化を経時的に捉えることが可能であった.分娩前においては,体温低下の幅が大きくなることが明らかになった.また,分娩時以降においても個体ごとに共通する体温変化が確認された.発情時にも特異的な体温変化がみられる可能性が示唆された.今後さらにデータを蓄積することで,分娩の予測や難産の把握,分娩後の母体の健康状態の把握が容易になると考えられる.