第69回日本アレルギー学会学術大会

講演情報

Educational Seminar

[ES-6] Educational Seminar 6
血清バイオマーカーTARCの活用とアトピー性皮膚炎治療の進歩

座長:古江 増隆(九州大学大学院医学研究院臨床医学部門外科学講座皮膚科学分野)

共催:シスメックス株式会社

[ES-6] アトピー性皮膚炎診療における血清バイオマーカーTARCの意義と活用

片岡 葉子 (大阪はびきの医療センター皮膚科)

関節リウマチなどの疾患の治療の進歩から、慢性炎症性疾患においては、早期の寛解導入と寛解維持が重要な治療戦略であることを学んだ。アトピー性皮膚炎(AD)は症状が目に見えることから病勢判定は視診のみに依存してきた。TARCはTh2ケモカインの一つであり、感度の高いADの病勢バイオマーカーとされている。血清TARCを測定することでAD診療の精度を高め、治療アウトカムを最大化させることができる。また視診のみに頼ってきた従来の診療に様々なpitfallがあることもわかってきた。近年AD病態の解明とともに新規治療薬の開発も進んでいる。高価な薬剤を適切に使用するにはより正確な診療が求められる。AD診療におけるTARCの意義と活用について解説する。