第94回日本細菌学会総会

講演情報

[学会企画]中・高校生研究発表セッション

[JRS] [学会企画]中・高校生研究発表セッション

2021年3月23日(火) 16:00 〜 18:00 チャンネル3

コンビーナー:河村 好章(愛知学院大学),寺尾 豊(新潟大学)

[JRS-1] 手作り稲わら納豆菌数と市販納豆菌数の比較研究

○奥田 聖人 (武蔵野市立第六中学校)

【背景】市販のパック納豆の納豆菌を生物顕微鏡にて観察している際に,市販のパック納豆の納豆菌と伝統的な稲わらを使った納豆の納豆菌との違いの有無に興味を抱き,今回の研究を始める事となった。
【目的】工場で大量生産されている市販のパック納豆と伝統的な稲わらを用いて製造された納豆の納豆菌数の違いを明らかにする。また温度によって納豆菌数の増殖に変化があるか明らかにする。
【方法】①茹でた大豆の上に煮沸させ納豆菌以外の細菌を死滅させた稲わらをのせる。一方,市販の納豆を茹でた大豆の上にのせる。どちらも約37度以上の場所に24時間静置する。その後,生物顕微鏡で納豆菌数を見比べる。②市販のパック納豆を約37度以上の場所に24時間静置した場合と,冷蔵庫に24時間静置した場合の納豆菌数を生物顕微鏡で見比べる。
【結果】①稲わらで作った納豆も市販のパック納豆で作った納豆も生物顕微鏡での観察では,納豆菌数に大差は見られなかった。②約37度以上の場所に静置した市販のパック納豆の方が冷蔵庫に静置した市販のパック納豆よりも納豆菌数が多かった。
【考察】①稲わらで作った納豆と市販のパック納豆で作った納豆は同じように増殖する。②納豆菌は低い温度よりも高い温度で増殖する。
【まとめ】稲わらに納豆菌が存在することが実験により証明することが出来た。また,温度によって納豆菌の増え方が違う事も発見した。次のステップとして,納豆菌数の違いを明確にするため,寒天培地を用いて稲わら納豆と市販のパック納豆で作った納豆を培養し,コロニー数を比較する実験を行う予定だ。残念ながら稲わら納豆は,においがひどく食べる事が出来なかった。