第94回日本細菌学会総会

講演情報

[学会企画]中・高校生研究発表セッション

[JRS] [学会企画]中・高校生研究発表セッション

2021年3月23日(火) 16:00 〜 18:00 チャンネル3

コンビーナー:河村 好章(愛知学院大学),寺尾 豊(新潟大学)

[JRS-10] 霞ヶ浦の底泥に生息する発電バクテリアの生態とそれを用いた発電の評価

○川村 彩乃 (茗溪学園高校)

近年再生可能エネルギーの一つとして注目されている,発電微生物の代謝を利用した微生物燃料電池を霞ヶ浦に応用できる可能性があることを知った。このことから,発電細菌の生態と発電を効率化する方法を明らかにすることを目的として研究を行った。まず霞ヶ浦の底泥と,対照として園芸培土を用いて実験装置を組み,霞ヶ浦の底泥の発電を確認した。土壌成分については,霞ヶ浦沿岸2か所と園芸培土の比較を行い,2か所の窒素含有量とpHに大きな差は認められなかったが,土地利用や土の見た目に差があったことから別の成分に違いがあると考えられた。次に発電を確認できた底泥の陽極側と陰極側から合計21種類の細菌を単離した。LB液体培地を用いてた実験装置に,単離した細菌のうち,好気性細菌1種類と発電細菌である可能性が高いと考えられた8種類をそれぞれ移植して発電量を計測した。その結果,3種の発電細菌を認めた。また,その3種類のグラム染色を行い,2種類がグラム陽性細菌で1種類がグラム陰性細菌であることが分かった。さらに吸光度を測定することで各装置内の菌体量を調べた。その数値と発電量から3種の発電効率を比較したところ,3種の発電効率には差があることが分かった。