第94回日本細菌学会総会

講演情報

[学会企画]中・高校生研究発表セッション

[JRS] [学会企画]中・高校生研究発表セッション

2021年3月23日(火) 16:00 〜 18:00 チャンネル3

コンビーナー:河村 好章(愛知学院大学),寺尾 豊(新潟大学)

[JRS-2] シソで食品ロスを防ごう!!

○渡邊 仁菜 (新潟市立高志中等教育学校)

私は学校で食品ロスについて学んだことをきっかけに,スーパー等で捨てられる食品に興味を持った。日本人が大好きな刺身の消費期限を延ばすことができたら,食品ロスを少しでも防ぐことができるのではないかと考え,刺身の下に敷いてあるシソに注目した。
刺身は,日本人が多く食べるマグロを用いて,抗菌効果がある物質としてシソ以外にもネギ,ワサビなどを用いて,刺身の腐りにくさについて調べた。方法は,シソなどを直接マグロに付ける方法,シソを乾燥させてシソの成分だけで防腐効果があるかを確認する方法,寒天培地にマグロを練りこんでシソを置き,菌の生え方を確認する方法などで実験した。この結果,シソやワサビには抗菌効果がることが分かったので,寒天培地に穴をあけてシソやワサビを入れて腐ったマグロから採った菌を培養し,菌の発育が抑制されるかを確認しました。この結果,シソはワサビより大きな阻止円ができ,ワサビよりも抗菌効果があることが分かった。
次に,シソを用いてマグロを保存した場合と,マグロだけで保存した場合,それぞれにどのような菌がいるかを様々な選択培地に培養し調べた。この結果,黄色ブドウ球菌が多く観察されたが,シソを入れたほうが黄色ブドウ球菌は少なかった。
また,表皮ブドウ球菌と大腸菌を血液寒天培地に培養し,その際に乾燥したシソを入れて菌の増殖が抑制されるかを確認した。
この結果,シソの成分は大腸菌や表皮ブドウ球菌には抗菌効果はないが,黄色ブドウ球菌には抗菌効果があるということが分かった。つまり,黄色ブドウ球菌の増殖を防ぐには,マグロを保存する最初からシソを直接マグロに触れさせると抗菌効果があるということが分かった。