[JRS-4] Difference in antibacterial action depending on the degree of roasting of coffee
私たちはコーヒーの焙煎度による抗菌作用の大きさの違いについて研究している。先行研究から,コーヒーに含まれるフェノール化合物が抗菌作用をもつこと,コーヒーの焙煎度によりフェノール化合物の含有量が変化することが分かっている。そこで,コーヒーの焙煎度が浅いほど抗菌作用が大きくなるという仮説を立て検証した。研究は,以下のように行った。まず,標準寒天培地に納豆菌を繁殖させた。その中心に焙煎度の異なるコーヒーと蒸留水を染み込ませたペーパーディスクを置いた。実験は,コーヒーの焙煎度と納豆菌の量などの条件を変えて行った。結果は次の通りであった。コーヒーを用いた培地ではその全てで阻止円ができた。阻止円はコーヒーの焙煎度が浅いものほど大きかった。そして阻止円は実験から11日後にもみられた。なお,蒸留水では阻止円はできなかった。これらのことより考察として,コーヒーの焙煎度が浅い方が抗菌作用が大きい傾向があること,コーヒーのポリフェノール化合物には抗菌作用があること,コーヒーの抗菌作用は長期的に続くことがいえる。