第94回日本細菌学会総会

講演情報

[学会企画]中・高校生研究発表セッション

[JRS] [学会企画]中・高校生研究発表セッション

2021年3月23日(火) 16:00 〜 18:00 チャンネル3

コンビーナー:河村 好章(愛知学院大学),寺尾 豊(新潟大学)

[JRS-7] 乳酸菌でも競争的排除は起こるのか?

○阿征 美緒,西森 朝海,稲葉 百音 (名城大学附属高等学校)

乳酸菌は,糖から乳酸を生成する細菌の総称で,主に乳製品に含まれ,数多くの種類が見つかっている。その中にグラム陽性桿菌とグラム陽性球菌等が存在する。高校では異種個体群間において,食物や生活空間,光や水など,共通の資源をめぐって種間競争が起こり,生活上の要求が似た種の間では,一方の種が排除される競争的排除が起こることを学習する。ゾウリムシと,ヒメゾウリムシを一つの容器内で混合飼育すると,種間競争が起こり,やがてゾウリムシは絶滅する例が示されている。
最近,テレビ番組で複数のヨーグルトを混ぜて食べる方法が紹介されていたのを見て,以前教科書で読んだ種間競争を思い出した。これは異なる乳酸菌上でも起こりうるのではないかと考え,興味を持った。番組では混ぜたヨーグルトをすぐに食べていたが,ヨーグルトの環境は乳酸菌にとって生活上の要求が似た環境だと思われるのでその状態で時間をおくと,競争的排除が起こるのではないかと疑問を持った。
これを明らかにするために,異なる種の乳酸菌を同じ環境で培養し,双方の乳酸菌の生存を確認する実験を行った。仮説として,どちらかの乳酸菌が競争的排除を行い,一方の乳酸菌のみ生き残ると考えた。