The 94th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

Presentation information

On-demand Presentation

2 Microbial Ecology

[ODP2A] a. Ecology, Symbiosis, and Environmental Microbiology

[ODP-014] Evaluation of intestinal environmental viability of actinomycetes isolated from food

○Akira Take1, Yoshihiko Sakaguchi1, Yuki Inahashi2, Kazuyoshi Gotoh3, Shunji Hayashi1, Naoki Omiya4, Haru Kato5 (1Dept. Microbiol., Sch. Med., Kitasato Univ., 2Ōmura Satoshi Mem. Inst., Kitasato Univ., 3Dept. Bacteriol., Grad. Sch. Med. Dent. Pharm. Sci., Okayama Univ., 4Dept. Gastroenterol., Fujita Health Univ., 5Dept. Bacteriol. II, NIID)

【背景・目的】Clostridioides difficile感染症(CDI)は,ディフィシル菌が原因で起こる下痢症・腸炎である。糞便微生物移植により再発予防効果のあったCDI患者とドナーの糞便のメタゲノム解析を行ったところ,ドナーにのみ特定の放線菌が検出された。放線菌は,土壌や植物に広く生息しており,様々な抗菌性物質を生産していることが知られている。本研究では,食物由来の放線菌がCDIの改善に何らかの役割を担っていると考え,食物から放線菌を分離し,腸内環境生存能の評価を行った。
【方法】放線菌の分離源として,種々の根菜(長芋,大根,聖護院大根,カブ)を使用した。各分離源を破砕し,ろ過した抽出液を放線菌用分離培地に混釈し,27℃, 3週間培養することで分離株を得た。得られた分離株は,16S rDNAをBLASTで検索することで,帰属する属と種を推定した。腸内環境生存能の判定には,人工消化液に37℃で種々の時間浸漬し,放線菌用培地に塗布して生育したものを消化液耐性とした。生物活性評価には,C. difficile ATCC BAA-1870株を用い,ペーパーディスク法による阻止円形成により活性を判定した。
【結果・考察】長芋からは,11属38種298株の放線菌が得られ,大根,聖護院大根およびカブからは合わせて13属50種303株の放線菌が得られた。これら88種の放線菌を人工消化液に曝露したところ,80種の放線菌が耐性能を有していた。これらのことから,放線菌は食物を介して生きたまま腸内へ移行すると推察される。現在,C. difficileに対する抗菌活性を評価している。