The 94th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

Presentation information

On-demand Presentation

2 Microbial Ecology

[ODP2B] b. Microbiota

[ODP-021] Microbiota analysis of oral potentially malignant disorders and cancer site

○Yawaka Shitozawa1,2, Kazumasa Fukuda1, Midori Ogawa1, Mitsumasa Saito1 (1Dept. Microbiol., Sch. Med., UOEH, 2Dept. Dentistry and Oral Surgery, Hospital, UOEH)

【背景と目的】細菌叢解析により,口腔がんとFusobacterium nucleatumCandida albicansの関連が示唆されている。唾液や切除標本を対象とした研究が多いが,その相関に関しては十分に解明されていない。本研究では,口腔の潜在的悪性疾患やがんの病変部の表面に付着している細菌叢と,正常粘膜,およびうがい液の細菌叢を比較し,その相関について知見を得ることを目的とした。
【材料と方法】産業医科大学病院 歯科口腔外科外来を受診し,舌に口腔潜在的悪性疾患やがんを認めた20歳以上の患者10人から,病変部および正常粘膜の擦過生体試料,うがい液を採取した。各試料中の細菌数は蛍光染色法で計測した。DNA抽出後に,16S rRNA遺伝子のUniversal Primerを用いてPCRを行った。クローニングを行い,1サンプルあたり192クローンの塩基配列をサンガー法で決定した。高精度の塩基配列のみを用いて基準株との相同性検索を行った。
【結果】フィルタリング(キメラ除去,精度検証)後,合計4366リード(平均145リード/サンプル)を得た。これらの配列は,99.6%の類似度で853のOTU(operational taxonomic unit)に分類され,相同性検索の結果,169種の菌種に相当した。病変部の細菌叢は,うがい液や正常粘膜と比較し,多様性が低かった。
【考察】口腔の潜在的悪性疾患やがんの病変の表面に付着している細菌叢は,正常粘膜と比較し,細菌叢の偏りが認められ,病変部に特徴的な細菌叢の存在が示唆された。