The 94th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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2 Microbial Ecology

[ODP2C] c. Habitats, and Culture Conditions

[ODP-025] Preservative efficacy test for eye drops(in-hospital preparation)

○Rina Shimada1, Ryuta Nishi1, Akiko Okuda2, Yoichi Yamada1, Kana Sato2, Mana Kimura1, Sumiko Shiota1, Kazunobu Takayanagi2 (1Dept. Molecular Biology., Sch. Pharm., Shujitsu Univ., 2Dept. Pharm., Kurashiki Central Hospital)

【目的】多回投与容器中に充填された医薬品では,使用される間に微生物汚染を引き起こす危険性がある。臨床現場では様々な院内製剤が使用されているが,それらの多くは保存効力が確かめられていない。そこで院内製剤として調製される防腐剤無添加点眼薬の微生物学的安全性を日本薬局方十七改訂(局方)の保存効力試験法に定められた方法で確認した。
【方法】倉敷中央病院薬剤部において院内製剤として調製された9種類の点眼薬に,局方の保存効力試験法に定められた細菌と真菌を含む5菌種を接種した。保存温度を4℃と25℃とし,それぞれ生菌数の変化(0,1,2,4週目)を測定した。生菌数からColony Forming Unit(CFU)/mLを算出し,細菌,真菌共に局方の保存効力試験法の判定条件に適合するものを適と判定した。
【結果・考察】タンパク質の変性や細胞膜に吸着し溶菌させる作用をもつ低水準消毒薬のクロルヘキシジン0.02%及び0.05%点眼液は,両温度とも適であった。抗真菌薬のミコナゾール0.1%点眼液は,両温度とも適であった。抗生物質の塩酸バンコマイシン1%点眼液は,25℃で適,4℃で不適であった。その他の点眼薬(抗真菌薬であるフルコナゾール0.2%,ボリコナゾール1%,ミカファンギン0.1%やNaCl5%水溶液,生理食塩液)は両温度とも不適であった。本研究より,これらの点眼薬を同一容器に保存し,長期に使用することによって微生物汚染の危険性が高まると考えられた。患者の安全を第一に考えて,微生物汚染リスク,患者の薬剤管理など様々な要因を考慮し,院内製剤の点眼薬における同一容器の長期使用は避けることが望ましい。