The 94th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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2 Microbial Ecology

[ODP2D] d. Others

[ODP-026] Mechanisms of bile acid tolerance in Lactobacillus casei ATCC27139

○Masahiro Ito, Nobuhiko Okada (Dept. Microbiol., Sch. Pha., Kitasato Univ.)

乳酸桿菌属が宿主有益作用(整腸作用,免疫賦活化作用など)をもたらすためには,経口摂取された後,胃酸・胆汁酸などのストレス条件に対して耐性を有することが肝要である。本研究では,乳酸桿菌属の菌株の中でも胆汁酸耐性を有するLactobacillus casei ATCC27139のトランスポゾン挿入変異株ライブラリーを用いて,胆汁酸耐性に関わる遺伝子の同定および胆汁酸耐性メカニズムの解明を試みた。L. casei ATCC27139のトランスポゾン挿入変異株7,000株について,0.2% 胆汁酸(oxgall)含有および胆汁酸非含有ILS 液体培地にて,37℃,48時間静置培養した。培養後それぞれのOD595値を測定し,胆汁酸含有培地におけるOD595値が胆汁酸非含有培地の5%以下である変異株を胆汁酸感受性変異株として選抜し,胆汁酸耐性に関わる遺伝子を同定した。その結果,胆汁酸含有培地においてのみ増殖の認められない胆汁酸感受性変異株18株を選抜した。これらの胆汁酸感受性変異株ついて,変異遺伝子の同定を行い,胆汁酸耐性に関わる12遺伝子を同定した。胆汁酸耐性に関わる12遺伝子は,細胞膜,細胞壁の構造形成または機能に関わる遺伝子,腸管上皮細胞への付着に関わる遺伝子など多様な機能が推察された。今後はこれら胆汁酸耐性変異株を用いて胆汁酸耐性メカニズムに関する解析を行い,そのメカニズムの解明を試みる予定である。