The 94th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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4 Molecular Microbiology

[ODP4A] a. Genome, Plasmids, Horizontal Gene Transfer, Mobile Genetic Elements, and Evolution

[ODP-047] Genetic analysis on the pathogenicity of flaA of Aeromonas spp.

○Kazufumi Miyagi, Itaru Hirai (Lab. Microbiol., Sch. Health Sci., Fac. Med., Univ. of the Ryukyus)

【目的】Aeromonas属菌は,特に基礎疾患を持つ人や免疫力の低下した人に食中毒,創傷感染症,敗血症等の疾病を惹起することで知られる水系細菌である。今回は,以前に分離した臨床と環境由来菌株のflaA遺伝子の塩基配列を調べ,本遺伝子が菌種や菌株の臨床と環境の由来によって病原性に違いがあるかどうか検討した。
【方法】Aeromonas属菌株は,沖縄県内の病院患者由来22株と一般家庭の井戸水由来38株の合計60株を用いた。flaAのシークエンスは,市販のDNA精製キットやBigDye Terminator v3.1 Cycle Sequencing Kit等を用い,精製サンプルはDNA sequencer ABI3500によってフラグメント解析を行った。
【結果と考察】シークエンスされた臨床及び井戸水由来株のフルサイズのflaAは,A. caviaeA. veronii bv. sobriaの菌株間で遺伝子の長さにバラつきがあったが,A. dhakensisA. hydrophilaは,ほとんど912 bpの長さだった。flaAのアライメントではAeromonas属Type strain換算で481~632 bpの区間に各菌株間で多数の間隙が見られたが,この区間で重複配列などの病原性に関する特別な塩基配列やアミノ酸配列は確認できなかった。また,flaAの無根系統樹においては,主にA. hydrophilaA. veronii及びA. caviae complexの3グループに分かれ,臨床と井戸水由来株はそれぞれのcomplexに混在し,両者の由来ごとに分岐するような特別なクラスターを形成しなかった。このことから,flaA遺伝子は菌種によって長さの違いはあるが,臨床や環境の由来によって病原性に違いはないと思われた。