The 94th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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4 Molecular Microbiology

[ODP4C] c. Protein Structure and Function

[ODP-066] Characterization of TsaA/TsaT TA system in Staphylococcus aureus

○Fuminori Kato (Grad. Sch., Biomed. Heal. Sci., Hiroshima Univ.)

細菌には自身の細胞機能を停止させるトキシンと,トキシンの作用を中和するアンチトキシンから構成されるトキシン・アンチトキシン(TA)システムが存在する。トキシンは,DNA,mRNA,タンパク質およびATP合成などの細胞機能に必須な反応を阻害する事で増殖阻害,細胞死を誘導する。当初,TAシステムは,大腸菌においてプラスミドの安定的な保持に関わる機構として見出されたが,細菌ゲノムには多種多様なTAシステムが存在していることが明らかになっている。細菌ゲノムに存在するTAシステムは,プログラム細胞死,病原性,バクテリオファージからの防御,バイオフィルム形成や,薬剤抵抗性に関与している事が明らかになりつつある。我々は,これまでに黄色ブドウ球菌ゲノムに存在する推定膜タンパク質から成る新規TAシステムTsaA/TsaTを見出した。TsaTトキシンの機能を解析するため,放射性同位体を用い,大腸菌でDNA,RNA,タンパク質合成阻害を解析,さらに各種機能解析により,TsaTトキシンは大腸菌および黄色ブドウ球菌の細胞膜に障害を引き起こす事を明らかにした。さらに,FLAGタグを融合させたTsaTトキシンおよびTsaAアンチトキシンを黄色ブドウ球菌内で発現させ,抗FLAG抗体を用いたWestern blotting法により細胞内局在を解析した。その結果,TsaTトキシンとTsaAアンチトキシンの両方が膜画分に存在した。TAシステムにおいて,トキシンとアンチトキシンの両タンパク質が膜タンパク質である報告は無く,新規な知見である。