The 94th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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4 Molecular Microbiology

[ODP4E] e. Intra- and Inter-cellular Signal Transduction

[ODP-072] The role of OMVs in biofilm formation by Aeromonas strain

○Soshi Seike1, Hidetomo Kobayashi1, Eizo Takahashi2, Keinosuke Okamoto3, Hiroyasu Yamanaka1 (1Lab. Mol. Microbiol. Sci., Fac. Pharm. Sci., Hiroshima International Univ., 2Lab. of Med. Microbiol., Dept. Health Pharm., Yokohama Univ. of Pharm., 3Collab. Res. Ctr. Okayama Univ.)

【目的】Aeromonasは,グラム陰性桿菌で食中毒起因菌である。本菌は,非生体表面や生体表面などあらゆる環境でbiofilmを形成する。所属する研究室で本菌が形成するbiofilmの成分を解析すると,外膜成分が多く含まれていることが判明した。この知見から,我々は本菌が能動的に外膜成分を遊離することでbiofilm形成を促進しているのではないかと推察し,本菌から遊離される外膜小胞(OMVs)がbiofilm形成に及ぼす影響を解析した。
【結果と考察】研究室で保有する臨床由来Aeromonas 菌株(104株)を使用し,検討を行った。まず,成熟期のbiofilmを回収し,密度勾配超遠心法によりOMVs を精製した。OMVsの精製度を電子顕微鏡(TEM)を用いた顕鏡で確認した結果,本手法によりOMVsが単離・精製できることが確認された。次に,biofilm形成におけるOMVsの役割を明らかにするために,精製したOMVsを104株に添加し,biofilm形成量の変化を解析した。その結果,OMVsの用量依存的にbiofilm形成量が増加することが明らかとなった。Biofilm形成量の増加に伴い,biofilmマトリックスの主成分であるextracellular DNAやN-アセチルグルコサミン含有量の増加も認められ,biofilmの成熟化が進行していることが判明した。 次に,biofilm形成の促進に関わるOMVsの成分について検討した結果,OMVs膜表面上のタンパク質がbiofilm形成の促進に関与しており,そのタンパク質を分解するとOMVsによるbiofilm形成促進が著しく減弱することが判明した。以上より,OMVs膜上のタンパク質が本菌のbiofilm形性能の促進に深く関与すると考察した。今後,さらに解析を進め,biofilm形成に関わるOMVs上のタンパク質を同定する予定である。