[ODP-072] The role of OMVs in biofilm formation by Aeromonas strain
【目的】Aeromonasは,グラム陰性桿菌で食中毒起因菌である。本菌は,非生体表面や生体表面などあらゆる環境でbiofilmを形成する。所属する研究室で本菌が形成するbiofilmの成分を解析すると,外膜成分が多く含まれていることが判明した。この知見から,我々は本菌が能動的に外膜成分を遊離することでbiofilm形成を促進しているのではないかと推察し,本菌から遊離される外膜小胞(OMVs)がbiofilm形成に及ぼす影響を解析した。
【結果と考察】研究室で保有する臨床由来Aeromonas 菌株(104株)を使用し,検討を行った。まず,成熟期のbiofilmを回収し,密度勾配超遠心法によりOMVs を精製した。OMVsの精製度を電子顕微鏡(TEM)を用いた顕鏡で確認した結果,本手法によりOMVsが単離・精製できることが確認された。次に,biofilm形成におけるOMVsの役割を明らかにするために,精製したOMVsを104株に添加し,biofilm形成量の変化を解析した。その結果,OMVsの用量依存的にbiofilm形成量が増加することが明らかとなった。Biofilm形成量の増加に伴い,biofilmマトリックスの主成分であるextracellular DNAやN-アセチルグルコサミン含有量の増加も認められ,biofilmの成熟化が進行していることが判明した。 次に,biofilm形成の促進に関わるOMVsの成分について検討した結果,OMVs膜表面上のタンパク質がbiofilm形成の促進に関与しており,そのタンパク質を分解するとOMVsによるbiofilm形成促進が著しく減弱することが判明した。以上より,OMVs膜上のタンパク質が本菌のbiofilm形性能の促進に深く関与すると考察した。今後,さらに解析を進め,biofilm形成に関わるOMVs上のタンパク質を同定する予定である。
【結果と考察】研究室で保有する臨床由来Aeromonas 菌株(104株)を使用し,検討を行った。まず,成熟期のbiofilmを回収し,密度勾配超遠心法によりOMVs を精製した。OMVsの精製度を電子顕微鏡(TEM)を用いた顕鏡で確認した結果,本手法によりOMVsが単離・精製できることが確認された。次に,biofilm形成におけるOMVsの役割を明らかにするために,精製したOMVsを104株に添加し,biofilm形成量の変化を解析した。その結果,OMVsの用量依存的にbiofilm形成量が増加することが明らかとなった。Biofilm形成量の増加に伴い,biofilmマトリックスの主成分であるextracellular DNAやN-アセチルグルコサミン含有量の増加も認められ,biofilmの成熟化が進行していることが判明した。 次に,biofilm形成の促進に関わるOMVsの成分について検討した結果,OMVs膜表面上のタンパク質がbiofilm形成の促進に関与しており,そのタンパク質を分解するとOMVsによるbiofilm形成促進が著しく減弱することが判明した。以上より,OMVs膜上のタンパク質が本菌のbiofilm形性能の促進に深く関与すると考察した。今後,さらに解析を進め,biofilm形成に関わるOMVs上のタンパク質を同定する予定である。