The 94th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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6 Virulence Factors and Biophylaxis

[ODP6B] b. Toxins, Effectors, and Bioactive Substances

[ODP-122] Role of amino acid residues in the biological activities of Clostridium perfringens delta-toxin

○Masahiro Nagahama1, Honoka Wada1, Soshi Seike2, Keiko Kobayashi1, Masaya Takehara1 (1Dept. Microbiol., Fac. Pharm. Sci., Tokushima Bunri Univ., 2Lab. Mol. Microbiol. Sci., Fac. Pharm. Sci., Hiroshima International Univ.)

【目的】BとC型ウエルシュ菌が産生するδ毒素は,オリゴマーを形成し細胞毒性を示す。本毒素は,黄色ブドウ球菌α毒素(Hly)と同じβ-pore-forming-toxinに属し,細胞膜への侵入に関与するステムドメイン,オリゴマー形成に関与するβサンドイッチドメイン,細胞膜への結合に関与するリムドメインからなる。今回,δ毒素の毒性発現に重要なアミノ酸残基を検討するため,βサンドイッチドメインの43位リジンと109位セリン,リムドメインの200位アルギニン残基をロイシンやアラニンに置換し,その作用を検討した。
【方法と結果】変異毒素は大腸菌で組換え体として発現,精製した。イヌ腎臓尿細管上皮由来MDCK細胞では,野生型(WT)と比較して,K43Lは約1/50に,R200Aは約1/20000に毒性が低下し,S109Aは毒性を示さなかった。次に,ヒト結腸癌由来Caco-2細胞では,K43Lは約1/7に,R200Aは約1/250に毒性が減少し,S109Aは毒性を示さなかった。さらに,ヒト肺胞基底上皮腺癌由来A549細胞では,K43Lは約1/3に,R200Aは約1/250に毒性が低下し,S109Aは毒性を示さなかった。次に,変異毒素の細胞への結合を比較すると,MDCK細胞において,K43LとWTは同程度に結合し,R200AとS109Aは結合しなかった。Caco-2細胞において,K43Lは結合せず,R200AとS109Aは少し結合した。A549細胞においては,K43LとS109AはWTと同様に結合し,R200Aは結合しなかった。
【考察】δ毒素の43位リジン残基は,毒性への関与は低いと考えられる。一方,109位セリン残基の置換は,細胞には結合できるが,活性を示さないことから,オリゴマー形成に関与すると推察される。さらに,200位アルギニン残基は細胞膜への結合に関与することが判明した。