The 94th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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6 Virulence Factors and Biophylaxis

[ODP6B] b. Toxins, Effectors, and Bioactive Substances

[ODP-131/WS7-5] E. coli-derived CirA induces the pro-inflammatory factors via extracellular vesicles

○Risa Imamiya1, Mayuko Osada-Oka2, Akari Shinohara1, Yasuhiko Horiguchi3 (1Food Hyg. Health., Life Env., Kyoto Pref. Univ., 2Food Hyg. Env. Health., Grad. Sch. Life Env. Sci., Kyoto Pref. Univ., 3Dept. Mol. Bact., RIMD, Osaka Univ.)

ほ乳動物の細胞から分泌される細胞外小胞のエキソソームは,エンドソーム由来の膜小胞で,内包するタンパク質や核酸を介してシグナルを伝達する。また,感染した細菌の病原性因子がエキソソームから検出され,そのエキソソームによる炎症反応が報告されている。細菌感染様の発熱や炎症であっても,体内から細菌が検出されず,原因不明な病態がある。そこで我々は,細胞間隙を容易に通過できる細菌由来の微小な細胞外小胞(OMV)に着目し,大腸菌由来OMVがエキソソームを介した炎症病態に及ぼす作用について検討を開始した。Escherichia coli K-12株の培養上清から超遠心法(100,000 × g, 3 h)によりOMVを得た。OMV(10 μg/dish)存在下で9 時間,その後培地を入れ替えて9時間培養したマウスマクロファージ(Mφ)(RAW264.7;8×106 cells /dish)の培養上清から超遠心法(100,000 × g, 3 h)によりエキソソームを得た。エキソソームは,ナイーブMφに作用してiNOS及びCOX-2の発現を増大させた。次に,エキソソーム内で高頻度に検出された5種の大腸菌タンパク質の各遺伝子欠損株由来OMVを野生株OMVと比較した。その結果,cirA欠損OMV添加時にエキソソームの作用が減弱し,cirA補填により作用が回復した。さらに大腸菌の外膜に存在する膜貫通型タンパク質のCirAを,膜貫通部位と膜外部位に分けて炎症性因子誘導に重要なドメインを絞り込んだ。抗菌ペプチドの受容体であるCirAは,真核細胞に対する病原性は全く知られていない。現在,CirAによる炎症誘導メカニズムを解析中である。