[ODP-161/WS9-4] Monitoring mycobacterial infection in vivo by 3D imaging CUBIC
結核は現在も世界で年間150万人が亡くなっている,世界三大感染症の一つである。また難治性の非結核性抗酸菌症の罹患率の増加も著しい。対策構築のために,抗酸菌と宿主応答の体内動態を知る必要があり,透明であることからMycobacterium marinumとゼブラフィッシュを用いたモデルが報告されているが,魚類と脊椎動物では免疫システムが異なる。これまで不透明である哺乳類において,個体・臓器における分子や細胞の動きを検出するために高度な組織透明化手法の開発が必要とされてきた。近年開発された組織透明化/3次元イメージング「CUBIC」では,生体内における癌細胞の転移など希少の細胞を生体内構造の中で,特定しその数を算出できることが報告された。本研究では,蛍光蛋白を発現する遺伝子組み換え抗酸菌 (Mycobacterium tuberculosis variant BCG, Mycobacterium avium, Mycobacterium tuberculosis H37Rv) とCUBIC技術を用いて,マウス体内における抗酸菌症の動態を詳細かつ3次元的に解析した。その結果,マウス体内で菌単体のレベルで細菌を検出でき,感染後臓器のホモジネートを培地に播種した後の集落形成数(CFU)で算出した菌数とCUBIC技術を用いて算出した菌数が相関することが明らかになった.また,菌種による体内動態の違いも確認された。CUBIC技術は,哺乳類における抗酸菌症の体内動態を把握する強力なツールとなり,現在難治性の抗酸菌症の治療や病態解明にとって大きな貢献をする可能性が示唆される。