[ODP-178] Clostridium ramosumを制御する新規粘膜ワクチンの臨床応用に向けた基剤開発
【背景・目的】粘膜面にはIgAが多量に存在し,粘膜面に侵入してくる病原微生物の上皮細胞への付着・定着・侵入の阻止などに関与している。私たちは以前にTLR9リガンドのCpG-ODNとC型レクチン受容体の一つであるDectin-1リガンドのCurdlanを組み合わせた新規注射型粘膜ワクチンが抗原特異的なIgGに加えIgAをも誘導することができることを報告した。この粘膜ワクチンは肥満や糖尿病に関連する腸内細菌Clostridium ramosumによる肥満を著明に抑制することができ,将来的な臨床応用が強く期待される。しかし,ワクチンの基剤として使用しているIncomplete Freund's adjuvant (IFA) は副作用が強くヒトに投与することはできない。そこで,ヒトへの使用が可能なエマルジョン製剤(WOW)を新たな基剤としたワクチンを作製し,その効果を検討した。
【方法】基剤としてWOWを使用したワクチンを作製し,マウスに筋注した。ワクチン接種後の血清及び糞便中の抗体価を測定した。またワクチン接種6週間後に抗原を経口または経鼻から投与し,1週間後の血清,糞便,気管支肺胞洗浄液中の抗原特異的な抗体価を測定した。
【結果】WOWワクチンは,IFAワクチンと同様に血清中の抗原特異的IgGの上昇を認めただけでなく,抗原のブーストにより糞便中の高力価の抗原特異的IgAや気管支肺胞洗浄液中の高力価の抗原特異的IgAを誘導できた。
【考察】WOWを基剤としたワクチンはヒトへの臨床応用が可能と考えられる。安全性試験を今後行う予定としている。
【方法】基剤としてWOWを使用したワクチンを作製し,マウスに筋注した。ワクチン接種後の血清及び糞便中の抗体価を測定した。またワクチン接種6週間後に抗原を経口または経鼻から投与し,1週間後の血清,糞便,気管支肺胞洗浄液中の抗原特異的な抗体価を測定した。
【結果】WOWワクチンは,IFAワクチンと同様に血清中の抗原特異的IgGの上昇を認めただけでなく,抗原のブーストにより糞便中の高力価の抗原特異的IgAや気管支肺胞洗浄液中の高力価の抗原特異的IgAを誘導できた。
【考察】WOWを基剤としたワクチンはヒトへの臨床応用が可能と考えられる。安全性試験を今後行う予定としている。