[S1-2] Development of functional inhibitors to MtsA, a metal ion transporter from Streptococcus pyogenes
化膿レンサ球菌は常在菌である一方でヒトに対する多様な病原因子を有しており,しばしば疾患を引き起こす。さらに近年,薬剤耐性菌の出現が確認されており,抗生物質に変わる新たな治療手法の開発が求められている。そこで,病原因子を標的とした抗菌剤開発を目指し,各種阻害剤の探索を行っている。本研究では特に,菌表面に発現しており,宿主への感染に関与していると考えられる金属取り込み蛋白質MtsAに着目した。組み換え蛋白質を用いた物理化学的手法による解析を行うことによって金属認識の分子機構を精査するとともに,その阻害に基づく新規抗菌剤の開発を目指す。 本発表では,MtsAによる金属結合の特異性に関する検証や抗体ならびに低分子阻害剤のスクリーニングについて述べる。また,それぞれの分子種を用いた金属結合の阻害効果および抗菌活性の評価結果を示し,各種モダリティ分子を用いた阻害剤探索について議論する。