The 94th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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Special Session

[SS] Action and revolution of Japanese Society for Bacteriology under COVID-19 pandemic

Tue. Mar 23, 2021 7:00 PM - 9:00 PM Channel 4

Conveners: Ken Kikuchi (Tokyo Women's Medical University), Osamu Matsushita (Okayama University)

[SS5] COVID-19 control in the post-pandemic perspective of next generation medicine

○Takaaki Akaike (Dept. Environmental Medicine and Molecular Toxicology, Grad. Sch. Med., Tohoku Univ.)

新型コロナのパンデミックが世界を席捲しているが,最近ようやくNature誌が,飛沫感染・空気感染(あるいはエアロゾル感染)が主であって接触や糞口はマイナーな経路であると明言した。このウイルスは上下気道に親和性があり,上気道感染だけであれば感冒で済むが,下気道で増殖すると肺炎を引き起こし重症化する。上気道伝播は飛沫感染で,下気道はエアロゾル(空気)感染であり,飛沫は数ミクロン以上で比較的大きいのでマスクで防御できるが,エアロゾルはナノ粒子対応マスクでなければ効果的に感染予防できない。感染経路の遮断が感染予防制御となるという点は,細菌性伝染病であるペスト,コレラ,赤痢,結核などに加えて,スペイン風邪やエイズの衛生学的な防衛対策と同様であり,新型コロナにあっても感染拡大の仕組みを理解できればその脅威は確実に軽減できる。一方,感染診断法については,上気道で増殖している場合はスワブや唾液での診断が容易であるが下気道感染はウイルスの同定は難しい。そこで我々は,ヒト呼気の無侵襲採取により呼気エアロゾル中のウイルス検出を行っている。これを更に発展させた呼気オミックスにより,ウイルスのみならず各種疾患のバイオマーカーとなる様々な代謝物,炎症性メディエーターなどの生体情報を無侵襲的かつ網羅的に収集している。この様な呼気オミックス診断法は,ポストコロナの時代においても,結核などの呼吸器感染症のみならず様々な疾病対策に応用・実装が可能であり,呼気医療として先進的な未来型医療の展開に繋がるものと内外から注目を浴びている。本講演ではポストコロナ時代の感染症も含めた新しい医療のかたちについて俯瞰したい。