[WS4-1/ODP-009] 3Dプリンターで作成したエアサンプラーによる空気中浮遊細菌の検出とその変動に関わる環境因子の探索
【背景】浮遊細菌の検出にはエアサンプラーが用いられるが,収量の多いフィルター法は乾燥しやすいために生菌数の算出が難しく,生きた細菌の回収に適したインピンジャー法は収量が少ないという欠点がある。本研究では浮遊細菌を生きたまま効率的に回収できるデバイスの構築を目的に,サンプラーを3Dプリンターで自作し,その有効性を検証した。
【方法】3Dプリンターで作成したエアサンプラー(素材:PLA,吸気量 2,000L/min)を用い,ビル3階の窓を開放してサンプラーを2時間稼働させ,内部のR2A寒天培地に空気を吹き付けた後,30℃で培養して生菌数を数えた。予備実験としてサンプラー回収菌数と自由落下細菌数を比較(n=11)し,有効性を確認した。次に,浮遊細菌数と気象条件(気温・湿度・風速・日射量・降水量,気象庁データを使用)の関係を調べるために実際の採材(n=37)を行ない,スピアマンの順位相関係数を求めた。また,総菌数と生菌数が相関性を確認するため,サンプラーで空気を吹き付けた蒸留水からDNAを抽出し,16S rRNA遺伝子量を測定した。
【結果・考察】予備実験でサンプラー回収菌数(687.818±494.045CFU)は落下細菌数(249.091±224.853CFU)よりも多かった(p=0.018)。実際の採材時には平均625.811CFUが得られた。生菌数と正の相関があった気象条件は風速(rs=0.416, p=0.012)・日射量(rs=0.464, p=0.005),負の相関があった気象条件は湿度(rs=-0.521, p=0.002)・24時間雨量(rs=-0.436, p=0.045)だった。遺伝子量と生菌数には正の相関(rs=0.344, p=0.041)がみられた。今回のエアサンプラーは浮遊細菌の生け捕りに有効であり,3Dプリンターでレプリカを簡単に作成できる点が特長である。
【方法】3Dプリンターで作成したエアサンプラー(素材:PLA,吸気量 2,000L/min)を用い,ビル3階の窓を開放してサンプラーを2時間稼働させ,内部のR2A寒天培地に空気を吹き付けた後,30℃で培養して生菌数を数えた。予備実験としてサンプラー回収菌数と自由落下細菌数を比較(n=11)し,有効性を確認した。次に,浮遊細菌数と気象条件(気温・湿度・風速・日射量・降水量,気象庁データを使用)の関係を調べるために実際の採材(n=37)を行ない,スピアマンの順位相関係数を求めた。また,総菌数と生菌数が相関性を確認するため,サンプラーで空気を吹き付けた蒸留水からDNAを抽出し,16S rRNA遺伝子量を測定した。
【結果・考察】予備実験でサンプラー回収菌数(687.818±494.045CFU)は落下細菌数(249.091±224.853CFU)よりも多かった(p=0.018)。実際の採材時には平均625.811CFUが得られた。生菌数と正の相関があった気象条件は風速(rs=0.416, p=0.012)・日射量(rs=0.464, p=0.005),負の相関があった気象条件は湿度(rs=-0.521, p=0.002)・24時間雨量(rs=-0.436, p=0.045)だった。遺伝子量と生菌数には正の相関(rs=0.344, p=0.041)がみられた。今回のエアサンプラーは浮遊細菌の生け捕りに有効であり,3Dプリンターでレプリカを簡単に作成できる点が特長である。