The 94th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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Workshop

[WS7] Selected from Oral Session: Virulence Factors and Biophylaxis: Toxins, Effectors, Bioactive substances

Wed. Mar 24, 2021 4:00 PM - 6:00 PM Channel 4

Conveners: Kiyotaka Nishikawa (Doshisha University), Atsushi Tabata (Tokushima University)

[WS7-6/ODP-137] A molecular mechanism of IL-1β inhibition by mycobacterial effector protein

○Tomomi Kurane1, Giichi Takaesu1,2, Kazuko Sawada2, Masayuki Umemura1,2, Goro Matsuzaki1,2 (1Dept. Host defense, Grad. Sch. Med., Univ. of the Ryukyus, 2Mol. Microbiol. Group, Tropical Biosphere Research Center, Univ. of the Ryukyus)

結核菌(Mycobacterium tuberculosis)は,Zinc metalloprotease 1 (Zmp1) を分泌して炎症性サイトカインInterleukin-1β (IL-1β) の産生を阻害することでマクロファージ(Mφ)内での殺菌を回避する。しかしながら,Zmp1によるIL-1β産生阻害の具体的な分子機序は不明である。それを解明するため,我々は酵母two-hybridスクリーニングを行い,新規のZmp1結合タンパク質を分離した(以下,この分子をEssential Regulator of Inflammation in Macrophage,ERIMと呼ぶ)。結核菌感染によるIL-1β産生におけるERIMの役割を検証するために,CRISPR/Cas9法を用いてJ774.1マウスMφのERIM遺伝子破壊株(ERIM-KO)を作製し,結核菌ワクチン株BCGのZmp1欠損株(BCG-Δzmp1)の感染で誘導されるIL-1βの産生をELISA法で解析した。その結果,J774.1元株ではBCG-Δzmp1感染後にIL-1βの産生が誘導されたのに対してERIM-KOでは誘導されなかったことから,BCG感染によって誘導されるIL-1βの産生にはERIMが必須であることが示唆された。そこで,IL-1β産生制御におけるERIMの作用機序を明らかにするため,結核菌に対する感染防御に重要なNLRP3インフラマソームを選択的に活性化させた際のIL-1β産生,ASC凝集体の形成,ミトコンドリア(mt)ROSの産生について,それぞれELISA,蛍光免疫染色,FACS解析によって調べた。すると,J774.1元株ではIL-1β産生,ASC凝集体の形成,mtROS産生の亢進が起こるのに対し,ERIM-KOではそれらが認められなかった。以上より,Zmp1は新規NLRP3インフラマソーム制御因子ERIMに結合し,mtROS産生を抑制することでNLRP3インフラマソームの形成を阻害し,その結果IL-1βの産生を阻害すると推測される。