The 94th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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Workshop

[WS9] Selected from Oral Session: Virulence Factors and Biophylaxis: Infection Models, Parasitism, Immunity, Vaccines / Pathogens and Infectious Diseases

Thu. Mar 25, 2021 12:45 PM - 2:45 PM Channel 3

Conveners: Yukako Fujinaga (Kanazawa University), Tomoko Sumitomo (Osaka University)

[WS9-5/ODP-099] Investigation of pathogenic mechanism of invasive infection caused by emm 89 Streptococcus pyogenes

○Masayuki Ono1,2, Masaya Yamaguchi1, Yujiro Hirose1, Kotaro Higashi1,3, Norihiko Takemoto4, Tohru Miyoshi-Akiyama4, Tomoko Sumitomo1, Tadayoshi Ikebe5, Shigetada Kawabata1 (1Dept. Oral Mol. Microbiol., Osaka Univ. Grad. Sch. Dent., 2Dept. Fixed Prothodont., Osaka Univ. Grad. Sch. Dent., 3Dept. Prothodont. Gerodontol. Oral Rehabil., Osaka Univ. Grad. Sch. Dent., 4Pathogenic Microbe Lab., Dept. Infectious Diseases, NCGM, 5Dept. Bacteriol. I, Natl. Inst. Infect. Dis.)

Streptococcus pyogenesは咽頭炎などの非劇症型感染症に加え,壊死性筋膜炎やレンサ球菌性毒素ショック症候群などの致死的な劇症型感染症の原因菌である。本研究では,日本および海外で分離されたemm 89型の全ゲノム情報を用いて,劇症型感染症の発症に寄与する因子の検索を行った。日本および海外で分離された劇症型由来株209株,および非劇症型由来株142株の全ゲノム配列について,Multilocus sequence typingの決定を行った。さらにパンゲノム解析プログラムRoaryを用いてコアゲノムならびにパンゲノムを算出したのち,細菌ゲノムワイド関連解析プログラムPyseerにより病態と相関する一塩基多型と遺伝子の探索を行った。Multilocus sequence typingの結果,全351株のうち246株がsequence type (ST) 101に分類された。日本においてはST101がもっとも多く,次いで多いのは海外で認められないST646であった。パンゲノム解析の結果,351株の持つ遺伝子が4,041種類の遺伝子に分類された。そのうち,1,049遺伝子がコア遺伝子に,2,992遺伝子がアクセサリー遺伝子に分類された。また,コア遺伝子における一塩基多型は20,476箇所検出された。ゲノムワイド関連解析の結果,5個の遺伝子の存在と,鉄イオントランスポーターをコードする遺伝子であるyfiZおよびfhuDとNAD-グリコヒドロラーゼをコードするnga遺伝子における一塩基多型が,それぞれ劇症型感染症と有意に相関した。以上の結果から,emm 89型株のSTは地域により異なる分布を示すことが明らかとなった。また,5遺伝子の存在と,3種類の遺伝子に存在する一塩基多型がそれぞれ劇症型感染症に相関することが示唆された。